10月の未来をつくるkaigoカフェは日本医療企画さんのセミナールームにて「看護師ナイト」として、前半は看護に関わる3人のゲストの視点からお話を伺い、後半は介護と看護が連携するには何が必要か?というテーマで対話を通じて共有しました。
今回の対話の中で、介護も看護も、ともにそれぞれの学びを深め、同じ方向を向いていくことが必要だということを改めて実感しました。一般的な業務内容として、介護と看護は共通のリンクする部分がある中で、看護のアセスメントと介護のアセスメントの視点の違いから、ギャップが起こりやすい間柄ではあります。そのギャップを埋めていくために、介護は、利用者の一番身近なところで関わる現場での気づきを、専門職へつないでいく重要な役割を担っているということ、また一つひとつの気づきを知識として落とし込んでいくことで専門性を身につけていくこと、自分達の目線をいかに言語化し、対等なコミュニケーションを図ることができるかという視点の必要性が上がりました。看護は、過去の学びや病院での経験から医療的なリスク回避の視点だけではなく、地域看護や老年看護といった知識を更新し、利用者の方の残っている力、強みを活かし生活を支えるという視点をもつこと、また看護の立場上、物事を判断する場面が多く、どうしても指示的で意見の押し付けや高圧的で逆らいにくいといったイメージを持たれやすい中、医療と介護をつなぐ必要不可欠な橋渡し役として機能していく必要があること、揺らぎやグレーゾンも共有しながら、ともに利用者の方の生活を支えるという視点を共通の認識としていく視点の必要性が上がりました。
最終的な目標としてはやはり、利用者の方がこの年まで生きてきてよかった、と思ってもらうために、その人にとっての生活の質を高めるとはどういうことかをみんなで考え、試行錯誤しながら、その実現に向けてチームが同じ方向を向いて連携していくことが必要だということです。その目標はつい、自分達の業務を優先して考えたり、自分自身の立場やプライドを守ることによって忘れがちになりますが、それをいつでも思い出し、確認し合い、おかしい方向へ向かいそうになれば軌道修正する必要がありますし、ケアにおけるフラットな対話ができるためには、立場や役職の違いをお互いが理解した上で、日頃から雑談ができるような関係性の構築も大切なことだと感じました。
連携するには、まずは相手の価値観を理解し、違いを受け入れることからやっとスタートラインに立てるのかもしれません。介護も看護も、それぞれの役割を果たしながら、これから求められる介護の未来へ向けて、共に学び、歩んでいけるパートナーとなることができたらとの思いを新たにしました。