8月4日は地域密着型kaigoの学校 夏期講座の第2回目でした。
今回は、まちかどステーション 八百萬屋 代表の増田靖さんに、20年務めた社会福祉法人を辞めて起業するに至った経緯から、起業してできること、組織の中でできることの違いや、現在の取り組み、課題など共有して頂きました。
20年社会福祉法人に勤めて、安定した収入を得て、それなりに満足した生活を選ぶこともできたはずですが、生まれ育った地域で、福祉の枠に捉われず自分や自分の家族にも必要な場をつくっていきたいという思いから起業された増田さん。
その足掛かりは、社会福祉法人内で、障害者雇用を条件とする市役所内食堂を公募した「森のキッチン」が採択され店長となり、その運営の中心を担ったことが大きかったとのこと。責任のある立場を任され、地域の様々な職種や背景をもった方とつながる中で、より自分らしく地域と福祉を結びつける活動に取り組んでみたいという思いが行動へとつながっていきます。
世の中には、ちゃんと向き合ってしまえば、生きづらさを感じることが山ほどありますし、実際目を背けて見ないようにしていることも多いのが現実ですが、そこに真剣に向き合って、信念を持って歩みはじめた増田さん。家族の理解を得ることの難しさ、後悔はしていないが、おすすめはしない、等と本音もポロリと出たりしながらも、やりたいこと、地域のありたい形を模索する後ろ姿はきっとお子さんたちにも輝いてみえているのではないでしょうか?
起業すると、周囲の人の本格的な助けや協力が必要になります。本気で関わってくれる人を見つけるには、地域課題を自分事として語れる、思いを言葉にする力、人に伝える力が必要です。
私自身も職場でのコミュニケーションギャップや対話力の必要性から、自分自身にとって必要な場と思い、発信し、カフェを立ち上げた経緯を改めて思い出すとともに、当事者意識をもって、生きづらさを課題に発展した事業は、長く続けるためのモチベーションになるのではないか、と思いました。
昨日も北は北海道から南は沖縄まで、経営者、相談員、介護職、セラピスト等々、全国各地の肩書や役職、職種も様々な方達と対話をする中で、改めてフラットに対話できるつながりのありがたさを実感しました。
今、コロナで多くの方が生きづらさを感じる中、できないことばかりを嘆くのではなく、コロナだからこそできることを見つけていきたいですし、各地の皆さんとフラットな対話の中で、そこから生まれる新たなアイデアからアクションへつながることをこれからも楽しみに運営できたらと思っています。